鮫肌の女/はだいろ
 
を脱がせなかったのは、
ぼくの趣味というよりも、
脱がすともう勃たないような気がしたのである。


群馬県から家出してきて、
いまはネットカフェ暮らし。
毎日家に戻ってくる人と、
25歳までに結婚したい。
来年成人式だけど、
いじめられていたから、
地元の式には出たくない。
そんな話を、余った時間で、眠いのに聞いてみた。


なんだか、
もう一度くらい、
素晴らしい女の子に、出会ってみたいと、
最期のあがきみたいに、
いらぬ無駄遣いをしてみる。
いや、無駄遣いってわけじゃあ、ないさ。
人間は淋しい。
いつも淋しすぎる。
その一点だけで、
ぼくと、鮫肌の女の子の、意見は一致した。







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