秋雨前線/
たもつ
アルミニウムの陰で
子守歌を歌う
眠っている人は
おしゃべりだから
わたしも話せることは
すべて話したくなる
秋雨前線が北上して
他に何もないこの辺りにも
やがて雨が降るだろう
残っていた夏草の匂いで
わたしは指を切った
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