波に消される文字に / 自分よ、心のままにあれ/beebee
がゆっくりと移動して行く
拡がったり縮んだり
波の稜線を移動して行く
一人で海岸に来て見ようと思ったが
白々とした日射しに賑やかな情景は返って淋しい
心のままにあれ
独り笑いを浮かべた
交わらない心は何も生み出しはしない
分かっているのだ
靴を脱ぎ靴下をその中に突っ込んだ
砂は冷たい脆い今の心だ
濡れて硬い砂地は鋭い痛みを感じさせた
何でも心のままにあるのだから
波に入っていった
海の中は意外に温かかった
渚に印した文字が
滲んで消えて行くのが見えた
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