銀河とんぼ姫/砂木
 
 強制された舞の奉納の時
居並ぶ敵方の武将を向こうに回し 
一歩も引かず 義経への思いを舞った
刀でも矢でも断てなかった 舞姫の想い

あのとんぼ達は 生まれ変わった 義経と静御前ではないのか
それだとわかる 時を越え姿を変え 巡りあったとんぼ達
寄り添い生きる事を約束した者達の 世を忍ぶ仮の姿
ああ でも 義経は最後にたてこもった所で 愛妻と愛娘を殺し
自害したとも聞いた 私の想像は 亡くなった愛妻と愛娘に
なんだか申し訳ないような気がする でも なあ
舞姫が命を投げ出して 夫や父のために舞ったというのは
女同士 天晴れと思わないでもないのではないか
とんぼになって ま
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