そうしてこの部屋は留守になる、すべてが?すべてが。/ホロウ・シカエルボク
 
はどこで涎を垂らしているんだろう


俺は眠りなおすことにしたんだ
起きていると夜みたいだからさ
寝床に身体を横たえて目を閉じると
すぐになにか高尚な禍々しさとでも呼ぶべき存在がやってきた
お前が俺のことを気にしたりするものだから顔を出してみたんだと言う
あの場所はいまでも血に染まっているのかと俺は尋ねる
目を閉じたままそんな事を話していると禅問答でもしている気分になる
染み込んだ血は色褪せることはないからなとそいつは言う
「お前はそんなことを聞いてどうしようって言うんだ?」
判らないと俺は答える
それから興味かなと付け足す
そいつはやれやれと首
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