花の底/Lily Philia
 


はしるの
スカートが汚れるのも
構わないで

あちらこちらが
ゆうやけだ
こげたみたいに
あたしたちがきえる

 そうしてあたしたちは
 水平線に並べられた
 かみさまの傘の下
 琥珀色にかがやく雲を
 また、み失いながら
 み付けながら
 ステップをふみ重ねる

はばたいて
はばたいては
ひかるばかりのてっぺん
決して順番を乱さずに並べたら
そのうちにだってみんな
死んでしまうんです

(いいんだよ
 つま先は土にまみれて
 いっとうに
 美しいやつだよ)

咲き満ちている
もうかえらない名前たちが
たなびきあう辺り一面

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