おでんや2/……とある蛙
 

夕暮れは知らないうちにやって来る
ブラインド越しの窓の外
夜空が突然落ちてくる
ビルの谷間の一角の
ボーッと灯る明りの主は
どこから湧いたかおでんやの
屋台が見える路地裏に
勤め帰りの数人が
椅子もないのに赤ら顔

手に手にコップを握り締め
屋台の縁に顔をつけ
ふーふーおでんを一齧り
その後ぐびっとコップ酒
煽って隣と大笑い
誰も人には注がない
数人みんな、手酌で一杯
注いでコップに口運び
次第次第に赤ら顔

話す言葉は威勢がよいが
話の結末が堂々巡り
其のうち一人があきらめて
ふ〜っとと一息白い息
この白い息はため息か
それとも帰宅のためらいか

ふふっ分かっちゃいるけど
いぎたなく
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