交点/草野春心
 


  固いタイルに
  きみはうつ伏せ
  ぼくはぼく自身より
  長く鋭い針を
  きみの背骨の中点に差し込む
  素早く、直角に
  屹立させる
  こうして
  線と
  線が重なった
  しかしそこに交点はない
  今思えば
  その図形は
  固いタイルに座礁した
  虚しいヨットだった




戻る   Point(6)