交点/
草野春心
固いタイルに
きみはうつ伏せ
ぼくはぼく自身より
長く鋭い針を
きみの背骨の中点に差し込む
素早く、直角に
屹立させる
こうして
線と
線が重なった
しかしそこに交点はない
今思えば
その図形は
固いタイルに座礁した
虚しいヨットだった
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