ちいさな/木屋 亞万
草木も私も眠る夜に
横たわるこの身体の中で
動き出す小さな私
腰の辺りにある
大きな貝殻が開いた形をした腸骨で
目を覚ますのは
手の平サイズの女の子
彼女はお腹に住む
私の夢の主人公
身体の空洞の中を
胸のほうへとかけていく
腰から頭のほうへと続く背骨の橋は
手すりがまったくついてない
彼女はそんなことなど気にもせず走る
骨の橋を叩いて渡らなかったせいか
背骨が割り箸のように
真っ二つに割れてしまっても
彼女は焦ることもなく
その割れ目の中へ落ちていく
落 ち て い く
とぷん と
寝具の海
学校の汚
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