童心/Lily Philia
どこへもゆけない
どこへもゆけなかったんだろう
だれも
いいんだよ
いんだよ
そんなことは
あたしたちに
ゆきどころなんてなかったね
かみさまもしらない
あのくもの
またたきはどうだ
それから偏光は砕け
波に合わせてスキップをしているね
あたしはいつだって
ちぎっては捨て
ちぎっては捨てるような
白痴じみた遊びに興じている子供でした
(そこにとどまる火が
駆り立てた音と音とを連れてくる)
あんなふうにむしり取られるくらいなら
ただたくさんの
死ぬ時の音や匂い、
それに温度、色を抱きあぐねて
俯せた
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