夜冷/大祐
 
二年前から忘れずに留まっている物語
断片的な言葉が俺を傷つけていく
君に出会えて
「ありがとう」
「愛している」
「君が」
「君を」


続くのだ
酷く冷える夜に限って
君の声で響く
眠れない言い訳を創るように
響く


中々煙草に火が付かない
震える指に燃料切れのライター
燃える事を拒否した魂が眠る

冷やされ凍りつくよね

何年経っても変わらない
見据えた先は痛み傷つく自分の絵
無闇に刺さるオブジェ
勝手に転がり傷を増やしていく
今からでも良い
言え

「愛している」
「ありがとう」


って言ってしまえ

考えるうちに
冷やされ凍りつくよね

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