ハルジオン/Lily Philia
 
の窓枠へ触れた指先も今は
  ひるがえりカーテンの白りらり
 上履きを脱ぎ捨てたあの教室も今は
  すりきれて靴下の白るらり
 あたしが部品としての風景も今は
  ちらばってゆく白日夢
 絶え間なく 白 白 
  るりららら りりりりり 
 

    急速にスピードをあげて


自分の白い足だけをみつめていたあたしは
けだるくいびつで
浮きだった熱をとびこえようとしていた
そこいら視界はモノクロへと歪み
窓際の水槽の中で
白い白い光の反射が
飛び火していった
あたしの心臓を掻き消していった
同じ重さを持つ空が
じりじりと焦がしてゆく


  金属
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