表情/yamadahifumi
 
夜の中に透明な線があって

それは「雨」と呼ばれる

あの日、降りしきっていた雨も

今、僕の頭上では収束している

あの日、乾いた言辞を放った僕も

今や湿った男となった

人々の雑踏の中を行く僕に

どんな表情も浮かんでいない
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