無題 未完成品/ballad
 
じごくをたべる、とあなたがてのなかであめをひろいながらわたしのみみのおくでかたるときにわたしたちのあいだにできたあのてんきのことをなんどもことばにだしてからはなしはじめよう。まずあなたはさばくとくちにしてまばいたいたひとみのおくでぱらぱらといしをふらせるもりのいりぐちをとじるためになんどもかみをぬらさなけらばならなかった。あたたかいかみにはゆきがやどれないから、とあなたがわらいながらいうときのほほにきせつがやどる。それはふゆのひにとびたてないものだけがわたしたちのいえのなかでしずかにいすにすわるときで、わたしはそのこうけいをいまだにおぼえている。ようせいたちのねむるひにものがたりをひらかないおんしつでつめたいままのうごきのなかでかのじょたちはさんらんするためにこえをあげる。まいちがいなくわたしはみたわ、と、かのじょがなきながらいうそしてふれるものがすべてゆきのとけていく。ここからさきはふぶきがふきあれるだからものがたりはとびはねるそれをとめようとしてぼくはでていくこのいえのなかではなにもかもがこごえる。
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