particle glass rain./雅寛
 
の粒子が降り注ぐ。
カケラが僕達を傷付ける中、
僕達はただ立ち尽くしていた。
終わったはずの恋と、
偶然に出会った僕等と。

まるで移動している夢を見ているみたいだ。
君と二人、雨に打たれているなんて。
あの時、言えなかったね。サヨナラは。
でも、何もかもが遅く、もう取り戻せない。

ガラス状の粒子が降り注ぐ。
君を好きだった時に、
言えなかった言葉を言う。
僕は君の王子様に成りたかった。
それだけ、ずっと言いたかった。

ガラス状の粒子が降り注ぐ。
それは僕を切り裂いていき、
僕は血に塗れて君を抱いていた。
家出少女の御姫様の君と。
王子様に成れなかった僕と。

(ガラスの水溜まりがビー玉みたいに玉になって濡れている。)
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