冬/opus
髪が青みがかっているようにみえた
だから、
違うと思った
君は違うと思った
道端で
君は猫を撫でている
可愛い猫
君は可愛いいと言う
可愛いと
僕は珈琲を頼んだ
君はクランベリーミントフラペチーノを頼む
「美味しいの?」
「美味しいよ。」
僕にはちょっと
甘すぎる
背中に触れると
少し震えた
謝ると
謝らないでと言う
「でも、」
「でもでも。」
ぼくは白で
君は赤
ぼくはジョン=アーヴィングを
君は有川浩を
君は泣いてしまう
僕はその頬に触れる
「やめて。」
「ゴメン。」
「だから、」
「好きだ。」
「嘘でしょ?」
嘘じゃない、
嘘じゃないんだ。
僕はいつの日か
君を好きになっていて
もうどうしようも無いんだ。
確かにタイプじゃない。
価値観も違う。
だけど、
君の事を好きになってしまった。
冬に入り
気温は低く
体は冷たい
頬に触れると
涙で濡れている
そっと引き寄せて
抱きしめる
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