側線から/Lily Philia
 



「いつの日の事だったか
 あたし よくは覚えていないの」

     ((雨・雨・雨の音))

  瞼を潜って沁みてくる光
  カーテンを閉じて
  もう
  睡って仕舞いたい

     ((隙間を縫う・吐息))

あたしの記憶はいつだって
踏みつけるところで終わってる

     ((脚の進む・正しさ))
     
     ((脚の降ろされる・弱さ))

   い っ ぽ

  あなたの  完璧すぎた  聲



本当はいつだって忘れていたい

世界は美しく点滅を繰り返して
後ろと呼ばれている方向へ流れていってしまった

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