Snowwriter, 未完成品/ballad
雪を見て「吹雪の中消えていった人は、雪のなって戻ってこない」と悲しそうに言うのを僕は黙って聞く。彼女が静かな人たちの間を通って、暖炉に薪をくべる。炎が勢いづくと火の粉が静かな人の一人の頬に飛ぶ。熱い、とも言わない静かな人に彼女が慌てて息を吹きかけて、熱を持った頬を冷やそうとする。彼女の暖かい息を吹きかけられた静かな人は何かを思い出したかのように、彼女の手を握って、挨拶をし終えると外へ出て行く。彼はこの吹き荒れる吹雪の中どこにいくんだろう。
失われた八日目の記憶の中に、めんどくなった。
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