Snowwriter, 未完成品/ballad
 
 失われた八日目の記憶の中に雪原があった。雪の上に立てられた僕らの家の中には、静かに多くの人が住んでいる。静かな人たちは、物音を立てずに部屋の中を動き回っているが誰もお互いを認識できない。そして誰もしゃべろうとしないこの部屋の中で、彼女が大声を上げる。部屋に響く彼女の声。そしてそれに反応しない静かな人達。彼女はそれを見て怒り狂った。そして彼女から八日目の記憶が失われようとしている時に、涙がこぼれた。それを見た静かな人の一人が、ゆっくりと彼女に近づいて挨拶をして外へ出て行く。彼は、この吹き荒れる吹雪の中どこにいくんだろう。
 失われた八日目の記憶の中に僕たちの家はずっとある。彼女が吹き荒れる吹雪を
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