きれいなうた/faik
 
きれいなうたを歌おうと想い
きれいなものを見上げていました
しかし私は愚か者
気付けばそれらすべてのものを
もろとも見下しておりました

そんな自分を軽蔑し
慈善などとも想いはしました
しかし私は愚か者
何をやっても左の臓が
偽善、偽善と囃すのです
こどものように囃すのです

されども、貴方
そんな底意地汚い私にも
きれいなこころはあったのです
確かにそれはあったのです
もはや自覚こそ遥か遠く、霞の如く朧げでありますが

赤いものをあかいと云い
綺麗なものをきれいと云い
嬉しいことにうれしいと云い
愛しいひとに唯、好きだと云える
すなおなおもいが在った
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