マドル・へディド/DNA
 
ほら、聴こえるね 
あの泉の谷から滲みだす
さまざまな色のことばたち 
煌めきながらばらばらに
散っていった無数の肉体 その
かけらのなかを通過していく
衣擦れのような音が。 

渇いてしまう、 
ようやっと辿り着いた 
名を与えられてはいないが 
いまだひかりの残る 
ことばの裾野から
拾われた椅子のもとへ
ゆっくりと 燃えてゆけ。 

次第に明るみだけが
喉もとを照らしだし ひりひりと
貼付いていた声たちの在り処、
ひとつまたひとつ降り積もって 
少しばかり湿り気を残したまま
土塊のうえ、
折れそうに分裂する。

愚かで、いつものらくらしていた
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