白い夜/凪 ちひろ
白い部屋で ひとり
夢みたいなことばかり 思い描く
そして 一周すると
今度は 闇みたいなことばかり 溢れ出す
絡み合った糸玉みたいになって
やがてすべてが 消失点へ向かう
そこまで来て 今日はもう眠ろう という
決心をする
ああ 今同じように夢想する人は
きっと五万といるに違いない
けれどもそれらは皆ひとりで
とりとめもない符号は
朝になれば消しカスだ
明日 白い部屋で ひとり
夢みたいなことばかり 思い描く
それは昨日の続きのようで
一年前と同じ夜
戻る 編 削 Point(3)