未完成品の断片羅列01/ballad
仮題 群島収容所
このしまでうまれるはずだった
ものがたりがふねにのって
とびたつこともなく
おいだされていくひに
わたしの母はまたあたらしいこどもをうんだ
このしまでうたわれたうたのおおくが
さいごまでうたわれることなく
ずっとははのあたらしいこどもの
そばでまわっている
この、し、までうまれるはずだった
かきちらされたおおくのことばを
とどめるためにたてられたこの群島
そして収容所、
入り江に打ち寄せる瓶を拾い上げる
子供達の手に傷がある
あの子が傷に引き裂かれた日、
祝われた思い出が私の傷をまた増やし
島は雨季に入る
仮題 雨季
鎖骨か
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