うたうように眠りたい/
塔野夏子
君の生まれた十月の国で
うたうように眠りたい
銀木犀のしずかなかおりが
漂う夜気に包まれて
丘を木立をぬって流れる
川のせせらぎを聞きながら
幼い君が 少年の君が
夢にあらわれてくれたらいいな
閉じた瞼のはるか上の
星のめぐりを感じながら
君のほほえむ十月の国で
うたうように眠りたい
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