交わすひと/恋月 ぴの
夢とか希望って軽々しく口にしてはいけないよね
これでも恋わずらいなんだろうか
鬱陶しさに心は暗く沈んでしまっているけど
なんだか身体は心模様とはうらはらに
不思議と元気みなぎっている
あの坂の上までなんて嫌だな
軽やかな足取りはわたしの意志など知らん顔
病は気からだったよね
大きくカーブするその先は平坦なはずだったのに
まだまだ先は長いとだらだら坂は尾根伝い
知らぬが仏
なんか違う気もするけど
昨日までのわたしを引き摺ることなく
今日は今日
明日は明日の夢とか希望がある
晴れあがった秋空はそっけなさが持ち前で
そんな優しさに何
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