[初恋の日]/東雲 李葉
 
それは、
自らするものではなく、
自ずと気がつくものであり、
自然と落ちるものである。
そう聞いたことがあった。

ときめきという言葉は、
例えば生きたものを触ったときとか。
新しい玩具を買ってもらったときとか。
両親にほめてもらったときとか。
そういうときのためだけの言葉でないと知った。


気がついたら落ちていた。
音も立てず一直線に胸の真ん中をすっと通って。
視線を交わすたび。言葉を交わすたび。手と手を交わすたび。
どこまでもどこまでも落下していく。

ときどき少しの痛みを伴って。


それは、
今までになかった高鳴りで。
全力で駆け抜けた後より
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