かくになんてなかった/キメラ
角煮とそらをあるいた
分離することなくみえた嘘は
虹の音を滑走路にうつしだす
なべをゆらして
あぶらはいらない
いらないんだあぶらなんて
もう死んじまえばいいあぶらなんて
初恋はレモンにひたして
ひえたあの坂が桜色にもえる
お前がわらっているようにみえて
のぼったり
くだったり
飛んだり
はねたり
角煮とそらをあるいた
分離することなくみえた嘘は
ばかにしたよう
綺麗な
こんな月で
夜のいれものがきれいで
そんな目でみるから
もうあぶらはうたえない
ちくしょう
うたえないあぶらなんて
う
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