カダフィとの思い出/吉岡ペペロ
 
カダフィと砂漠を旅したとき

発電機の不安定な明かりのしたで

彼は世界についての話を毎晩してくれた

カダフィはアメリカを含むこの世界を

小惑星にいつ襲われるかも知れない地球にたとえた

リスクのまえにひとは本来平等であるべきなのだと

彼はアメリカと宇宙の話が好きだった

カダフィは水戸黄門のような

無防備きわまりない漫遊を好んだ

リスクのまえにひとはまだ平等ではない






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