そら/草野春心
 


  在るものを
  ぼくたちは見つめるだけ



  手に抱くこと
  そばにいる人を
  まもりたいと願うこと
  忘れてゆくこと



  いつも
  名づけることでしか
  ぼくたちは確かめられない
  胸が痛んでも
  どんなに涙がこぼれても
  最後には
  言葉しか残らない



  あの遠い空から
  落ちてくるものを
  ぼくたちは受けとめるだけ
  それが
  世界との
  別れの言葉だとしても




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