nai-tari make-tari/竜門勇気
 

1980年代の午後は
こんなに明るくなかった気がする

僕は、歯磨きが嫌いな子供で
今は、命がかかるまでは歯医者に行かないと決めた大人
ルールや倫理が
どんなにえらくっても
大人の中身はいじくられない

僕達は
確かに泣くために生まれたわけじゃない
誰一人
そういうふうには
できてはいないけど
だけど


セックスはあっけなく終わり
ただレールの上でしゃっくりを何度したか、みたいな
冷たいゴミが残った
多分、こういうことは
繰り返しが価値なんだ
外でなにが起きたって
心の中身はさわれない

僕達は
確かに負けるために生まれたわけじゃない

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