ふりそそぐ陽光のしたで/梅昆布茶
 
何者にもなりたく無かった僕は闇のなかでそっと生まれた

認識の外の世界で生成する螢のように浮遊する外惑星だ


新しい地平線は空っぽの世界に灯をともす微笑み

漆黒の壁さえもよじ登れる気がするし


履行されない契約だけが命を穢しているのだな

メビウスの輪の時間論は永遠の過去へと連鎖する想い


重力と戦う加速度は僕の死の速さと同等の物理学

方向を失ったベクトルは失速する悲しみを恒に孕んでいるし


瓦礫の累積は歴史とよばれ珍重されて

ギブスのように僕らを規定してくるのだ


三角の定理は丸の論理に柔らかく包摂されてゆく

たぶんそれは良
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