集合体/黒い翼
 

やりようがなかったんだ

だから
遠くの海から戻ってくる
サケたちも
潮風の砂に塗れて咲く
ハマナスの木々も
波をかわして飛び立った
ワシカモメも
ミコアイサも
身を寄せ合って
分けあって
与えあって
生きていけるところで
生きていくしかないんだ

だから
その小さな小さな営み
ひとつひとつ織りなして
その小さな小さな営みの集合体は
かつてのように今も
いつまでも地球である限り
美しい鉱物の集合体とされていくんだ

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