防風林/千波 一也
 

海鳴りを背に

せめて
我が腕だけでも
遠ざけようとするように

防風林の枝はみな
左右の均衡を著しく
乱されて

ことしも
冬を受け流すため
寡黙に
されど着実に
葉を落としつづける






戻る   Point(2)