日曜日に別れを告げて/春日線香
あの人が欲しいと猫に頼んでも黙殺される血の日曜日
空色のホースの中をのろのろと運ばれていく真っ赤な金魚が
人のいない午後は眠くて寂しくてひよこを埋葬するにはぴったり
淡々と折りつづければ世の中がわかる気がする人形の指
陽が落ちて柱時計と音楽とコスモスがそっと人間をやめた
七人の姉妹は歯医者の子供らにサボテンを投げ終夜楽しむ
金星が心臓みたいに鼓動する うつくしい闇 うつくしい闇
銀色のかさぶたになる 自分から起立礼とはまだ言えないけれど
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