レネゲイド/ホロウ・シカエルボク
 




赤い時間を舐めつくして
気がつけば愚鈍な夜だ
静脈に蓄積した日常が
腐った果汁飲料の様な
速度で管を滑りだす


時間差的な滑落の連続
連鎖
ひっくり返る組織と
消失する意識
ブラウンの床にひと粒のチェリー
モダンなムービーみたいで詩的


崩落した外壁の無残さを
愛しいと感じる瞬間だ
グラウンドのフェンスに絡みついて
そのまま枯れたツタのような血管だ
西の窓に突き刺さる陽射しの名前はさよなら
縁日の金魚が身体半分を腐らせて死ぬ


さよなら


くびり殺す幻想が
無人の部屋の埃みたいにうず
[次のページ]
戻る   Point(2)