ランチタイム/オノ
しないまでも、三人組とジェシカの間に少なくとも
三つくらいの階層の違いが隔たっていることは明白だった。
そして、誰もがその階層の膜を破らないように生きていた。
「でもね、あの子とってもいい子だったわよ。
私なんかにも分け隔てなく話しかけてくれたわ」
ローラが二人に向かっていった。
その日ローラは、立入禁止のテラスの芝生の上で、ジェシカと
楽しそうに話し込んでいるところを何人かに見られたのだった。
きっと、上流階級の真っ只中のジェシカが、自分には下層の
人間と交流する懐の深さもあるのだと、アピールするために
ローラが一時的に利用されているのだと誰もが―特に"下層&q
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