公然たる敵 二/榊 慧
生物みたいにのたうちまわる父親を糞で埋め殺した時、壁にたてつけた木板の隙間から優しい日の光がきらきらきらきら囁いてるのをききつけて俺は外に出よって一瞬、ほんの一瞬だけ楽になった気がして、足元を見やった、
俺は声と歌うよ、ネクタリンてのは小さいやつでね、黄桃は下品でね、好きな人っていなくてねって延々と言ってる主張してる虚像、それ、声と一瞬に歌うよ、俺は。まぁた見つかった。って言うお前が嫌いだしホットケーキ焼けないお前ら糞にまみれろゲロにまみれろ糞になれ花になれ春にはならない海はなくって偽物ばかりで迷ってしまったあら大変ってことで考え直してくれませんかね「この芸当を認めろよ」火にくべてしまえくべてしまえ、歯のない口から涎垂らして着火して人はみんな幻覚になる、波乱、幻覚のシャワーコックをひねって幻覚の石鹸で実在したままの不潔な体を洗う、救いはありません。隣のイヌも歌いだすそれを俺は殺した俺は幻覚だろう毒を飲んで光を集めたいよ。
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