水底/千波 一也
 

星明かりの駅が
ひとつずつ滲んでゆく

瞳は
乾いてなどいない
まったく逆だ

夜から
いちばん遠いところが
すべてを飲み込み
夜を生むための
夜になる

そこに
あるものを
真実きみは語れるか

美しすぎておそろしい
標をきみは
語れるか

ひとつ残らず
ごまかさず




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