月へのコラージュ/
草野春心
《白く》
《ええ、白く
あるいは青く》
《あるいは》
《白く
それから
流されてゆきました》
《アスファルトの中で》
《眠っていました》
「熊」
ぱりぱりの冬を
ぱりぱりと頬張っているのが
あなた
外は
水面が薄く凍っている
草には霜が降りている
新鮮な冬を
新鮮なうちに
食んでいるのが
あなた
ぱりぱりの冬は
唇を切ってしまうから
舌を切ってしまうから
しだいに無口になるのです
あなた
あなたの体は
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