川の幻影/番田 
 

人の多くは 疲れた 幻のようなものなのであるが
私は 何も知らない そのことについては
いつまでも そっと 川面を見ていた
疲れだけが 転がっている
空の真上に へばりついたようにも見える
遠い国の美術館の中で通りすぎたことのある 絵画のように


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