遠泳するぼくらは永遠の幻をみる/空中分解
 
赤く濁った水の中で

泳ぐ気力は尽きてきて


揺らいでいるのは君なのか

霞んでいくのはぼくなのか


深く潜った海の中で

肌は冷たくなってゆく


おぼれているのは君なのか

沈んでいくのはぼくなのか


泳いでも泳いでも見えもしない陸を探し

足掻いても騒いでも誰の目にも留まらずに

いつの間にか暮れて肌寒く感じる中で

それでも手を振り

叫び

遠くに見える小さな灯を見出し

それを幻ではないと願い

また泳ぎだす
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