ライフ・ゴーズ・オン/nm6
 
最新の動物が目を見張る出来で
暗い夜のネオンサインに目を光らせている
ある並行世界のあったかもしれない新宿で
客引きのタキシードの皺が川の流れのようで
ぼくは田舎の水面にゆらめく波紋を思い出し
あの時の彼女の決めゼリフを思い出し
どこか痛いようなでもくすぐったいような
遠ざかっていくはるか遠く昔の
月明かりに照らされた実存の
あの時代に生きながらえたぼくたちの目の前で
過去と未来は交錯していった
段だらけの狂おしい庭や
限りなく妄想に近いピンクの檻や
ましてや
最新の動物は知らない声で鳴き
ぼくはいつか昔のすれ違いにあわよくばの間違いを
さらけだすときは
もはや、最期の力は出ないようだ
動揺の鍵が照れ臭さと入り混じる匂いの
迷子の夜だ
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