道化/faik
 
哀愁のコートを纏い

感傷の中を走り抜けて

憂鬱の煙を吸い

恍惚のため息を吐き


嘲りのヒールを鳴らすと

マゾヒックな水溜りが弾けた




煩わしさは

思い返す程に


張り裂けそう、は

先を見る度に


あたしはどこまでもあたしで

嫌気がさすのにも飽きてしまって


今はただ

石であります

まるで石です。




遠くのほうでサイレンが

祭囃子のようにはしゃいでる


嘘でも笑える自分が

やけにやるせない




やりきれない想いに
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