枯葉/
千波 一也
なかったのです
むごいものなど
必要なかったのです
雲を
描けるつもりで
いますか
いまも
まっすぐに
風のしたですか
あなたは
やわらかな言葉の
裏側ばかりを
品定めして
わたしは
すっかり
褪せました
朽ちてはいないのが
救いです
軽々と
音になるのが
救いです
いつでも
忘れにいらしてください
わたしは
きっと迎えましょう
だれより
なにより
慈しみましょう
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