枯葉/千波 一也
てのひらに
乗らずじまいの鳥でした
だから
わたしを探すなら
むこうの風の
枝あたり
落ちるともなく
揺られ続ける
木の葉の
ような
ささやかに
確信めいた一枚の
ちいさな炎が
わたし
です
この世で
いちばんやさしい嘘が
あなた、だとしたら
わたしはそれを
かくまう罪びとで
構いません
月が
伝えてくれるのは
満ち欠け、
ならば
まっとうするのが
清楚です
交わした約束など
ひとつもありません
願ったことや
にくんだことなら
ひとつならず
ありました
でも、
約束なんて
なか
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