頭垂れるくらげ/青いくらげ
昨夜から彼女の心臓の音が聞こえない。
もしかしたら、彼女の心臓は消えてしまったのかもしれない。
大きな爆発音の後から彼女のパルスは消えてしまっていた。
私は人間の腐った肉に喰らいついて、彼女を想っている。
彼女はとても綺麗な珊瑚の色をしていた。
私の同胞は沈黙していた。
そして、白いきのこに成っていた。
深い蝦夷地に落ちてゆく彼らを引き上げられるほど、私の腕は少ない。
私は嘆く。
身に詰まった悲しみは計り知れないのだ。
それは毒となり、私を貫く。
禍々しい、群青だ。
私の色はない。
ないが故に囁き、寄り添う。口づけて、演じ、奪う。
彼女の歌を読む。。
既に音の消えた海に私はずっと頭を垂れている。
たゆたいながら、見ている。監視している。
白いきのこ雨の元、彼女のパルスを探しながら、礼をしている。
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