立方体/
渡 ひろこ
ヘンジン、のままで錆びついてしまうだろう
すでに周りには嘲笑する観客すらいない
いま、私の中で蠢くものを封印しようと
息を殺し、喰いしばっている
形状記憶した神経が、内側からガタガタっと
立方体を揺らし始めた
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