詩をよむ/メチターチェリ
詩をよむ
襟をただして 向かい合い
掬いとられた言葉に耳を傾ける
駆けても丁寧にしても捕まえられない
のろまな自分をちょっとま棚に上げて
他人の世界に没頭すると
動き出すはずだ
「ゴト」
心の栓を少しだけ緩める
緩め過ぎないよう
温度はありのまま
呑みこんだら人肌にして
心の片隅[自尊]カテゴリーの
(愛)よりは少し(かなしみ)に近いところに
そっと置く
自分のとは別の部屋にとっておく
取り出すとき いつも遅すぎるかもしれない
少なくとも
見当違いな言葉が飛び出さないように
気を張っているのが精一杯だ
感情
それでも
詩をよんだその後には
表現の欲求が湧いてくる
無駄ではないと思えるはずだ
単純で切実な衝動は
理性の側に預けておいた
気掛かりで
何度も
振り返ってみずにはいられない
衝動が何かの容(かたち)をとって笑いをつくる
わたしは厳粛に受け止める
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