哀愁の親父/梅昆布茶
季節感のない親父にも
たまには愁いの時がある
無神経を絵にかいたような
ステレオタイプな日々の
粉を吹いてしまった五感が
たまには疼くのだ
無駄に過ごしてしまった
青春を
ドラマのように再生して
編集しては
時々溜め息をついたり
酔いしれたり
結構忙しいのだ
親父は隣のポチとなかが良い
ポチも親父を
自分の手下だと思っている節がある
いつもぐいぐいひっぱられてよろけながらも
コロッケを一緒に食べたり
学校帰りの小学生とたわむれたりもするし
ポチと同レベルの美学で生活している
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